【115A43 汎血球減少への対応】
【115A43 問題解説】
5歳の女児。急性リンパ性白血病で入院中であり寛解導入療法を行っている。体温36.4℃ 。眼瞼結膜は貧血様である。下腿に紫斑を認める。血液所見:赤血球288万、Hb 8.8g/dL、Ht 26%、網赤血球0.1%、白血球800(分葉核好中球19%、単球0%、リンパ球81%)、血小板1.0万、PT-INR 1.0(基準0.9~1.1)、APTT 29.2秒(基準対象32.2)、血漿フィブリノゲン170mg/dL(基準200~400)。
対応として適切なのはどれか。
a 血小板輸血
b 新鮮凍結血漿輸血
c 赤血球濃厚液輸血
d エリスロポエチン製剤の投与
e トロンボポエチン受容体作動薬の投与
5歳の女児、急性リンパ性白血病、寛解導入療法、Hb 8.8g/dL、白血球 800、血小板 1.0万と汎血球減少を起こしている状態への対応が問われましたね…
これは本当にわかりませんでした…
貧血もあるし、下腿に紫斑もあるし、感染起こすとまずそうだし…ということでどの選択肢も切れず結局eのトロンボポエチン受容体作動薬の投与を選んでしまいました。再生不良性貧血の治療で使用するので、今回のケースでも適応はないのかなってことでマルつけちゃいました。
公式解答では、aの血小板輸血なんですね!
血小板輸血は輸血関連の副作用も多いと聞いたことがあったので、積極的には選びにくく、私は外してしまいました。。
急性白血病の補助療法(支持療法)についてはyearnote2020で詳しく書かれていました。
それによると
・貧血(Hb<7.0~8.0 g/dL)に対して赤血球輸血
・好中球減少に対してG-CSF投与
・血小板減少に対して血小板輸血(1万~2万以上に保つ)
とありました。
従って今回は赤血球数>8.0g/dL 、G-CSFは選択肢中になし、血小板数1万
より
aの血小板輸血が正解になりそうですね!
ところで誤答してしまったeのトロンボポエチン受容体作動薬に関しては、調べてみたところ再生不良性貧血(AA)、治療抵抗性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)への適応しか検索できませんでした。
急性白血病の寛解導入療法における汎血球減少への適応はないのかもしれませんね。
この問題も私的には選択肢の選別が難しく感じた問題でした。
今後も各治療法の適応基準値を把握しておくべき問題が出題されるかもしれませんね。
以上です!
115回医師国家試験、誤答問題の全問解説はこちら→【第115回医師国家試験、気ままな研修医による全問題解説】