【115D39 正常圧水頭症への確定診断と治療方針の決定に有用なもの】
今回は神経内科、脳外科領域の問題になりますね!
この分野は出題範囲が広く苦手としている受験生も多いかと思いますが、
頻出項目に関しては限定されているので(脳梗塞、くも膜下出血など)
過去問を通してしっかりトレーニングしていけば必ずや得点源になると思います!
ただ、神経領域は暗記のみで乗り切ることは難しく
十分に理解した上で各疾患についてまとめておく必要があると思います。
現在お使いの予備校テキストや教科書をベースに知識の整理をしておきましょうね。
さて本問に関しては、解答速報時の85%前後と正答率の高い問題でした。
私が間違えてしまった理由としては
『単純に知らなかった』からです…(お恥ずかしい限りです(笑))
試験後も「あの問題の答えはこれだよね~」「そうそう、実習でみたよね~」
という友人の会話に全く参加できず、悲しい思いをしました(笑)
本当に普段の臨床実習は大切ですね…
私からすると今までの国試の過去問の解答で選択されたことのなかった
本問の正解選択肢について
「知らない!わからない!」
となってしまったんですね。。
MECの講師Dr.孝志郎もよく
『知っているは強い』(byDr.渡)
と講座の中で強調されていましたが
まさにその通りで、ぐうの音も出ませんでした…(笑)
さて、長くなってしまいましたが、どんな問題だったのか確認してみましょう!
【115D39 問題解説】
「74歳の男性。歩行障害、見当識障害および尿失禁を主訴に来院。(略)。MMSE 23点。MRI FLAIR像を示す。(全脳室拡大所見あり)」
確定診断と治療方針の決定に有用なのはどれか。
はい。もう完全に典型問題ですね。
MRIの所見も完全に一致しておりますね。
国試過去問も紹介しておきます(→110D46)
これまでも何度か出題のある正常圧水頭症ですが、3徴全て揃っている本問はある意味貴重かもしれません。
さて今回はその「診断確定と治療方針の決定に有用なもの」を問われていますね。
参考資料として『(旧版)特発性正常圧水頭症診療ガイドライン』を見てみましょう。
第1章Ⅲでばっちり記載がありますね!
特発性正常圧水頭症に対する診断確定、治療方針の決定として
e 脳脊髄液排出試験(Tap test)(解答:e)
を行うのですね。
Tap test(タップテスト)とは腰椎穿刺にて脳脊髄液を30~50mL、単回排除することで臨床症状に改善がないか確認するのですね!
排除する脳脊髄液の量によってはドレナージテストとも呼ぶみたいですね。
タップテストについて詳しくは→こちらのサイトをご覧ください
よく知っている腰椎穿刺(ルンバール)と同じですね!
ルンバールに関しては臨床実習で見学した方も多いと思います。
このタップテストにて症状の改善が認められれば、検査陽性として
次に、シャント手術(脳室腹腔短絡術)
となるのですね!
これで先ほど紹介した110D46の過去問の答えとつながりましたね!
正常圧水頭症に関しては、115D39→110D46の順で検査、治療を進めていくのですね。
さていかがだったでしょうか。
過去問の紐づけもできて私自身とてもすっきりしております(笑)
冒頭の説明の繰り返しにはなりますが
臨床実習にて本症例を経験していた、ないしは自己学習をしていた
医学生に関しては難なく解答することができたのではないでしょうか。
これも毎回伝えていますが、過去問のみならず臨床実習での経験も大切にしてほしいな、と思います!
1問でも多く解答できる力を今のうちから蓄えていきましょう。
「知らないのは恥ではない。知ろうとしないのが恥である。」
近代日本の文化官僚、教育者 澤柳政太郎
この格言を忘れず私自身、精進してまいりたいと考えております!
以上です!
115回医師国家試験、誤答問題の全問解説はこちら→【第115回医師国家試験、気ままな研修医による全問題解説】