【115A51 高血圧薬の使用法、併用について】
【115A51 問題解説】
高齢、高血圧女性に対する研修医と指導医の会話文形式の問題ですね。
どこか必修問題のような雰囲気を感じましたが、問われている内容はなかなか専門的なのではないでしょうか。解答速報でもかなり割れていたように感じます。
a,b,cに関しては過去問題でも問われている医学常識なので切れるとして
迷うのはdとeでしょうか
私は最後まで悩んだ結果「推奨されません」という強い言葉が引っかかってしまいeを選んでしまいました。。
またもや治療薬についての深い知識が必要だったようですね。
公式解答はd
サイアザイド系の利尿薬を第一選択に使用しても構わないのですね。
こちらもyearnote2020 『高血圧の治療』にはっきり記載がありました。
降圧薬の使い方
・積極的適応のない高血圧患者に対する第一選択薬は、β遮断薬を除く主要降圧薬(ARB/ACE-I、Ca拮抗薬、少量利尿薬(サイアザイド系利尿薬))を用いる。
・長時間作用型の降圧薬を単剤で低用量から使用する
以上より、特に禁忌事項(腎不全・肝不全)等なければ、サイアザイドを第一選択薬で用いても良いのですね!
また、
降圧薬併用可能な組み合わせ
・2剤の併用として、第一選択薬の間では、ARBとACE-Iを除く組み合わせが推奨される
とあり、降圧薬の組み合わせの中で唯一、ACE-IとARBの組み合わせは推奨されないのですね。
理由は降圧薬の作用が相乗してしまうからなのでしょうか…?
これより私が誤答してしまった「推奨されません!」とはっきり言いきっても大丈夫だという根拠が見つかりましたね。
うーんこれも知らなかったので良い勉強になりました。
高血圧治療ガイドライン2019も参考になるので合わせてチェックしてみてください
このように必修でも出題頻度の高い高血圧患者への対応を問う問題でしたが、降圧薬の使用方法などかなり突っ込んだ内容まで近年の国家試験では出題されていますね。
日頃の学習で気になったことはチェックしておく習慣が大切だと実感した問題となりました!
以上です!
115回医師国家試験、誤答問題の全問解説はこちら→【第115回医師国家試験、気ままな研修医による全問題解説】